うつ病、パニック障害で揺らがない心にする方法

2024年10月19日

今回、以下に紹介する方法は、うつ病、パニック障害を克服した体験からすれば最も重要なポイントになります。

もしこの方法を理解し、取り入れることができれば、克服に向けた土台ができたと言っても過言ではないと思っています。何が最も重要なのかと言えば、この土台をつくるという点にあります。

このサイトでは、呼吸法など技術的な方法も紹介しています。これらの方法を繰り返すことによって、症状を抑えてなくすことはできます。(呼吸法の記事はこちらになります。)

症状を抑えた状態を継続することで、やがて病気が消えていくこともあるかもしれません。しかし一方で、心のあり方によっては、症状に大きく振り回されたり、病気の状態に戻ろうとする力が働いてしまうことがあります。それではこの病気を根本から消すことにつながりません。

このため、 病気を根本から消すためには、まずは症状に揺らぐことのない心の土台をつくることが最も重要と思っており、この記事を最初に紹介しています。病気を維持してしまう心のあり方を取り除くことが、根本的な克服につながる。自らの体験によって、そのように確信しています。

この病気を克服してから20年以上経ちますが、再発せず、揺り戻すこともありませんでした。病気のときにあった数々の症状(→病気だったときの症状【閲覧注意】は、克服したときにすべて無くなっています

それはこれから紹介する方法が土台となっているものと確信しています。

難しい方法なのかと言えば、そんなことはありません。
方法の原理はシンプルだと思います。

しかし最も重要な内容でありながら、人によっては抵抗を感じることが予想され、実はお話しするのが最も難しい内容でもあります。

それはいわゆる「一般的な認識」とは異なる部分があるためです。中には宗教なのではないかと疑問を持つ方もおられるかもしれません。

しかしこの記事は、うつ病、パニック障害を克服することが目的であり、そのための「心の技術」を紹介することを目的としています。当然ですが宗教の勧誘、宣伝ではありませんし、経済的な負担もありません。

誤解を招く可能性を恐れず、自らの体験をもとに得た方法をありのままお話ししていきたいと思います。

それでは以下、参考にしていただければ幸いです。

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うつ病、パニック障害で揺らがない心にする方法

うつ病、パニック障害のときには、心や体の様々な症状に振り回され、悩まされ続けました。とても苦しい状態だったことを現在でも憶えています。

そのような状態を完全に脱することとなった、揺らぐことのない心の土台をつくるという方法とは、どのようなものでしょうか。

それは、以下のポイントを意識するというものです。なお繰り返しますが、宗教の勧誘や宣伝ではありません。

自らの「本質」が、完全な存在、不変不壊の存在、清浄な存在であると認識する
そして、これら自らの「本質」に意識を置く

先ほどお話ししたように、この病気のときには、心や体に様々な症状が現れます。そして、好む好まざるとに関わらず、意識が常に症状に向いてしまいがちです。

しかし、心や体の症状などの「現象」に意識を向けるのではなく、上記自分という存在の「本質」に意識を置くようにするという方法です。

そして、心や体に生じている症状などはあくまで「現象」であり、自分という存在の「本質」には何ら影響を及ぼさないということです。

上記のポイントは、病気を克服する過程で意識していたものをまとめたものです。これら自分の「本質」に対する認識は、その後現在に至るまで変わっていません。

そして、病気がすべて消えて20年以上再発せずに来られたのは、この認識が自分の心、自分の存在の揺らぐことのない土台となったためと確信しています。また、今後も再発しないものと確信しています。病気を克服する前と比べて、心のあり方がまったく異なることが自覚できるからです。

さて、上記のポイントでは完全、不変不壊、清浄といった端的な言葉で挙げさせていただきました。内容はある程度想像できるのではないかと思いますが、以下補足することにします。その後、これらに「意識を置く」とはどのようなことなのかお話ししたいと思います。

自らの「本質」

上記のポイントでお話しした、意識する自ら「本質」について、以下に補足してお話しします。

【完全な存在】
自らの「本質」は、元々完全な存在と意識する。
自分という存在は、本質として完全であって、欠落したところがあるものではない。補ったり変えたりする必要がある存在というものではない。

【不変不壊の存在】
自らの「本質」は、変化したり壊れたりしない存在と意識する。
自分という存在の本質は、微塵も傷ついたり壊れたりすることはない。例えば、心が影響を受けたり、体が病気したり老化したりしても、自分の本質はまったく変化しない。精神的、物理的な影響を本質は受けるものではない。

【清浄な存在】
自らの「本質」は、汚れることなく常に清浄な存在と意識する。
心の否定的な想念や、環境、出来事などで汚れたように感じても、自らの表面が覆われて本質が感じられなくなっただけであり、自分の本質が清浄であることに変わりはない。

簡単にまとめて言えば、自分という存在の「本質」は、いついかなるときも完全であり、傷ついたり壊れたりするものでなく、汚れなく清浄であって光り輝くものであるということです。

これらの自分の「本質」は、うつ病、パニック障害になる以前から、病気のときにも、そして病気を克服した後も変わることはありません。「本質」はそれらの「現象」には影響を受けないものです。

これら自らの「本質」を認識し意識を置くことが、揺らぐことのない心の土台となります。

「現象」と「本質」

病気だったときには、自らを苦しめる心や体の症状が、自分に多大な影響をもたらすもので、自分という存在を侵食しているように感じたことがありました。しかし既にお話ししたように、それらは自分という存在の「本質」には何らの影響を与えません。

この点について、以下に例え話になりますが、補足してみたいと思います。

光輝く金の玉を泥の中に落としたならば、表面に泥がついてしまいます。場合によっては泥に覆われてしまって、泥の玉のように見えることもあります。

しかしそれは、表面上そのように見えるだけのことで、金の玉が変化してしまったわけではありません。泥の玉に変化したと認識するのは、誤りです。

金の玉が泥の玉になることはないのですが、それを知らなければ、泥の玉になってしまったと慌てることになります。このとき、心は大きく振幅します。

一方で、このことを知っていれば、泥がすぐに落ちなくとも慌てることはありません。洗うなどすれば、泥はやがて落ちていきます。心が大きく振幅することはありません。

もし知らずに泥の玉だと認識してしまった場合、泥がやがて落ちていくという認識がないかもしれません。そして、泥の玉を前提とした心になってしまい、それが原因で金の玉に戻りにくくなってしまうかもしれません。

ここでは、金の玉が自分という存在の「本質」、泥が症状などの「現象」です。

この認識を持つことで、症状などの「現象」によって影響を受けていた心が、大きく振幅しなくなりました。自分という存在の「本質」に碇を降ろすことで、それまで「現象」によってどこまでも流されていた自分の心と存在が、流されなくなりました。

症状はすぐに忽然と消滅したわけではありません。しかし、意識が症状にとらわれることがなくなっていき、気がついたときにはすべて無くなっていました。症状という「現象」が、自分に重大な変化をもたらすという意識によって心が大きく振幅し、その存在を際立たせていたのだと思います。

泥は泥に過ぎず、金の玉を変化させることはないのです。そしてこのことが、揺らぐことのない心の土台になったということです。

意識を置く

これまで自らの「本質」の内容についてお話ししてきました。次に「意識を置く」とはどのようなことなのかお話ししたいと思います。

巷間では「イメージする」、「自分に言い聞かせる」という表現をよく聞きます。

ご覧の方にとっても、これらはすぐにお分かりになるのではないでしょうか。「イメージする」とは、簡単に言えば心に想い描く作業、「自分に言い聞かせる」とは、文字どおりの心の作業であることを、ご自分の経験から理解できるのではないかと思います。

先ほどの「意識を置く」ということが、それらに当たるのかと言えば、そうではありません。では、どのようなものなのか。それらと対比する形で、以下、お話ししていきたいと思います。

【イメージする】との差異

イメージが実現する、という表現をよく耳にすることがあります。この場合の「イメージする」とは、先ほどお話ししたように、心に想い描くということです。心に想い描いたことが現実になる、という意味になります。

しかし、自らの「本質」を心の想念で創り上げる必要はありません。まったく別に存在するものです。

「イメージする」ということは、心の想念で創り上げる、というニュアンスが入ります。つまり、何が言いたいかと言えば、心が「虚偽性」を無意識に感じてしまうということです。この方法は、自らの「本質」を心で想い描くだけのものではないということです。

【自分に言い聞かせる】との差異

「自分に言い聞かせる」というのは、心の中で、繰り返し言葉で自分を説得する作業です。不安に陥った自分を落ち着かせるため、よく行った心の作業です。

しかし「自分に言い聞かせる」ということは、言い聞かせている内容と自分が異なる状態にある、ということを前提としています。心が無意識にそのように感じてしまうということです。

言い聞かせて自分を変える必要性はありません。なぜならば、自らの「本質」は隠れているだけであり、変わる必要のないものだからです。

【意識を置く】とは

ではどのように意識するのかと言えば、元々、自分の内にあるものを確認した
この表現が一番近いと感じます。

僅かなニュアンスの差なのですが、心が受ける効果というのはだいぶ違うように感じます。
効果を落とす隙を与えないことは、心の技術として重要なことです。

症状で苦しいとき、自分という存在の「本質」を自分に言い聞かせるのではありません。元々、自らの内にある「本質」を確認したと意識するということです。イメージしたり、言い聞かせたりせずとも、常に元々そうなのだという意識です。

このことが、自らの「本質」に対する強固な認識につながります。

「善」と「愛」

先ほどお話しした自らの「本質」に包含されるものですが、ここでは特に次の2つに焦点をあててお話ししてみたいと思います。

いずれも心の状態、症状の改善に効果があったと感じるものであり、よろしければ参考にしてみてください。

【善の存在】
自らの「本質」は、本来、善であると認識する。
心に否定的な想念、感情などがあっても、自分という存在の「本質」が善であることに変わりない。それらは自分という存在の性質に由来するものではない。

否定的な想念、感情ばかり満たされていると、それらを生む自分そのものが否定的な存在なのではないかと錯覚することがあります。

ここで紹介する自らの「本質」が善であるという認識を得たことは、病気の克服に向かう転機となり、その経緯は別の記事(→記事)にまとめていますが、簡単にお話しすれば以下のようなものです。

心や体に重くだるい感覚があり、やや回復していたものの状態はまだ良いとは言えないものだったのですが、小一時間ほど路上生活者に弁当を配布するボランティア活動に一度だけ参加したことがありました。

この活動をした帰り道ですが、すぐに自覚できるほど心や体が軽くなり、だるさを感じなくなっていることがわかりました。このとき、この体感の変化こそが自らの「本質」を示しているのだと感じました。

書籍などで人間の本質が善であるという考えがあることは、知識として知っていましたが、自らの体感を通じて認識そのものが変わりました。そして、振り返ってこの時を境にして、病気は根本的な克服のほうに向かい始めたと思っています。

この体験があった後、否定的な想念、感情などによって、心が根本から揺らぐことがなくなりました。

【愛の存在】

自らの存在の「本質」は、本来、愛であると認識する。

病気の症状によって体が緊張し冷えた状態だったのですが、愛という言葉を思い浮かべたとき、胸に温かな感覚が生じました。そして、体の緊張を緩めるとともに、心の不安や恐怖を和らげ、温かさを感じさせてくれました。

この愛という言葉が持つ力は、温かさ明るさだと感じます。

そして、自分の見ている世界からこの愛という存在が抜けてしまっている、ということに気がつきました。例えば、他人から受ける善意のほか、自分の内に善意があったとしても、それらを受け止めて認識することができないのです

病気だったときには、世界はどこか暗く生気なく映り、殺伐とした環境の中に生きている感覚がありました。そして、心にあったのは愛の対極にある怒り、憎悪などの感情であり、それらが心と体を緊張させているということに気がつきました。

この愛による体感の変化という体験から、自分という存在の「本質」には愛があり、自分を取り巻く世界も愛というフィルターを通して見ることを意識するようになりました。そしてこのことが、自分という存在や世界の認識に生気をもたらし、心と体の状態の改善につながったと感じています。

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心の囚われをなくす

自分という存在の「本質」に意識を置く方法について、以下に補足として、別の切り口からお話しをしてみたいと思います。どのような切り口なのかと言えば、先にもお話しした「現象」についてです。

自分を取り巻く環境を「現象」として認識することは、心の囚われをなくすことに役に立ちました。

以前、自分という存在の「本質」は、病気などの「現象」に影響を受けることはないというお話しをしました。このときの「現象」とは、自分の「本質」を取り巻いて立ち現われ、消えていくものという意味で用いてきました。自らの確固たる「本質」とは対となるものです。

病気だったときには、自分の周囲の存在に圧迫を感じたことがありました。他者と一緒にいると緊張して息苦しくなるということもその一例です。あるいは、他者などの物理的な存在に限らず、社会的な価値観や、その価値観に基づく相対的な自己認識に心が圧迫されることもありました。

こうした圧迫感から心を解放したのが、「現象」として認識することでした。

立ち現われ、消えていくことは当然のことですが、日常生活の中に埋没していればこのことを忘れてしまい、目の前の状況が永続する壁のように思えたりもします。改めて「現象」と認識することによって、受ける感覚が変わり、心の圧迫感が軽減されました。

また、周囲からの圧迫感によって自分の意思や感情が抑え込まれて埋没し、自分でもわからなくなってしまうことがありましたが、それらを取り戻すことにもつながりました。

なお、すべてが立ち現われ消えていくという認識は、いわゆる無常観、虚無感につながると思われる方があるかもしれません。しかし「現象」として認識することは否定的な意味合いのものでなく、自分の心を解放し、自在な意思と感情を取り戻すための積極的な方法であることを付言しておきたいと思います。

自分という存在には確固たる「本質」があり、取り巻く環境を「現象」と認識することは、心を解放し、より揺らがない心にする方法であることを最後に述べさせていただきます。

記事のまとめ

今回の記事は以上になります。ご覧いただき、ありがとうございました。
これまで紹介した方法が、皆さんの負担軽減につながるところがあれば幸いです。

今回の記事を簡単にまとめれば、以下のようになります。

【揺らぐことのない心の土台を作る方法】
・自分という存在の「本質」が、完全な存在、不変不壊の存在、清浄な存在であると認識し、これら自らの「本質」に意識を置く。
・病気の症状など「現象」が、自分という存在の「本質」に影響を及ぼすことはない。
・自分という存在が影響されるという意識は、心の振幅を生み、影響された(泥がついた)状態を前提にした心となる可能性がある。
・「意識を置く」とは、自らの内に元々「本質」があると意識するもので、心のイメージなどによる虚偽のものではない。
・自らの「本質」として善、愛があるという認識は、心身の状態に改善をもたらした。
・取り巻く環境を「現象」として認識することは、心を解放し、自らの意思や感情を取り戻すことにつながった。

最初にお話ししたように、これらの内容に抵抗を感じた方もおられたかもしれません。そのような方にとっても、部分的にでも参考になるところがあれば、幸いに思っています。

また、この方法によってなぜ克服することができたのか。病気を克服する前後で大きく変わった部分など、思うところをまとめた記事(→記事)も作成しています。

次回の記事は、今回の内容とは大きく変わって、体を使った方法のお話しになります。体験する中で得た気づきや方法を、ご覧いただいた方にも理解し行えるように整理して紹介していますので、ご参考いただければ幸いです。(→次の記事


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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