うつ病、パニック障害を克服するまでの途 Ⅰ ー 診断を受けるまで ー
このサイトでは、管理人の体験をもとに、克服する方法を紹介しています。
短時間でわかるようポイントをまとめ整理した形で紹介するようにしていますが、それだけではなかなか伝わらない。
人によっては、本当に実体験をもとにしたものなのか。
疑念を持たれる方もあるかもしれません。
そこで、これまでのポイントを紹介することのほか、どのような経緯で、どのような段階を経て、どのような方法を体験していったのか。
管理人の実体験をありのままに紹介することも、参考になるところがあるかもしれない。
そのように思うところがありました。
そこで、管理人がうつ病、パニック障害を克服するまで体験した内容を、時系列に沿ってお話していくことにしたいと思います。
方法の紹介というより、体験をそのままお話ししていく形になります。
長いお話しになりますので、記事を数回にわけてお話しすることになります。
ご興味のある方はお付き合いいただければ幸いです。
今回は初回ということで、管理人が心身に異変を感じて病院に行き、うつ病、パニック障害と診断を受けるまでの経緯をお話しします。
どのような経緯で病院に行くことになったのか。
そこのところです。
なお今回の記事は、心身に異変を感じて病院に行くまでの経緯なので、症状に関するものが多くなります。読んでいて苦痛を感じる方は、けっして無理をなされないようお願いいたします。
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うつ病、パニック障害と診断を受けるまでの成り行き
体の異変(高校時代)
管理人がうつ病、パニック障害にいたる心身の異変を感じたのは、高校生のときのことです。
体は壮健な方ではなく冷え性であり、小学生のときからたびたび食欲不振に悩まされたことがありました。
しかしそれまでのものは癒っていたのですが、高校生のときは、そうではありませんでした。
昼食に弁当を持っていくのですが、なかなか食べることができない。
その後、おにぎりだけを持っていくようになったのですが、1個食べるのがやっとという状態でした。
食欲不振で体力が落ちたこともあるのか、体のだるさにも悩まされました。
朝、布団から起きるにしても体が非常に重く感じる。
そして、外出時の吐き気に悩まされるようになりました。
自宅から外出しようとすると吐き気を感じる。
あるいは外を歩いていると吐き気を感じるという状態でした。
わかりやすい感覚としては、ひどい乗り物酔いが近いでしょうか。
吐き気がして、体にも思うように力が入らない。
そうした体調のため、学校を休むことも多くなりました。高校三年の頃だったと記憶しています。
それでもそれなりに学校生活を送ってカリキュラムをこなし、なんとか無事に高校を卒業することができました。
大学進学のための受験勉強もそれなりにできたので、いくらかまだ余裕はあったのだろうと思います。
また、高校を卒業する前くらいから、受験の負担も加わったためなのか、体の緊張がひどくなりました。
肩や背中の筋が異常に固く張っている。
背中の肩甲骨の内側あたりに痛みを感じることもありました。
そうした状態にあって、試験どころか自分はそもそも受験会場まで行けるのか。
そうした思いもありましたが、縁のある大学に進学をすることができました。
ある受験校では、受験会場で背中の痛みに耐えられず、保健室のお世話になるということもありましたが...
体の異変(大学時代)
大学に進学し、環境も変わって新生活が始まったのですが、体の異変は変わりませんでした。
外出すれば吐き気に悩まされ、大学の学生食堂に入ってもほとんど食べることができない。
比較的食べやすいだろうと毎日麺類を選びます。
量は多くないのですが、それでも一杯も食べきれないことが多くありました。
吐き気のある状態が続いていたためなのか、やがて学生食堂や飲食店に入ることに不安を感じるようになりました。
その場所に入ろうとする、あるいは食べ物の臭いがするだけで、体が冷えたように感じ、吐き気が強くなってしまう。
そして周囲はみんな楽しそうに食事を楽しんでいるのに、自分は延々と食事を苦痛に感じている。
何か自分が場違いところにいる感覚もありました。
また、吐き気が強くなるため、そうした場で自分が吐いてしまうのではないかと不安を感じるようになる。
その不安が体に緊張をもたらし、吐き気が強くなるという悪循環に陥っていました。
お腹は減って立ち眩みをすることもあるのだけれど、昼食を食べずに過ごす。
そうした日もありました。
大学の友人には、いつも体調が悪くて食事をすることができないと断りを入れていました。
食堂に入って形だけ注文をしても、料理に手を付けないこともあったためです。
また、あるときから他人と一緒にいると息苦しさを感じるようになりました。
最初に気がついたのは通学中の電車の中だったと記憶しています。
普段、電車では体を休めて寝ていることが多かったのですが、落ち着かない状態になりました。
周囲が気になって、呼吸が息苦しい。
息を吸おうとしても吸い込めない。
意識して胸を膨らませるようにしても息が入っていかない。
息を吐こうとしても胸の空気が出ていかない。
胸に空気が残っている感覚があるが、息を吐き切ることができない。
急にそのような状態になったので、不安になったことを憶えています。
このとき以降、自分の呼吸がどのような状態だろうか、呼吸の仕方がおかしくないだろうか。
自分の呼吸のあり方を、とても気にするようになりました。
大学一年の頃は、このような体調でした。
それでも大学生活は比較的ゆるやかであったため、休養しながらカリキュラムをこなし、過ごすことができました。
心の異変
しかしやがて、こうした体の状態と相まって、心の方も不安定な状態になっていきました。
大学二年に進級する前後の頃だったと記憶しています。
自分の心に不安、恐怖、悲しみ、ときには怒りなどが満ちるようになりました。
それは自分の体の状態に対する不安。
また、それによって自分が社会生活を送れるのか、将来への不安。
自分の過去や、自分のあり方に対する不安、悲しみ。
そうした想念や感情に覆われて、頭のなかでつねにそのことを考えるようになっていました。
過去の自分を振り返って、何か自分が酷い人間であるといった、自責の念を感じることもありました。
あるいは突然、悲しみのあまり嗚咽することもありました。
自分や周囲の人間に対して、やり場のない怒りが体中に満ちるといったこともありました。
それとともに、物事に無気力な状態になりました。
何もやる気がおきない。何をやっても無意味だという思いに囚われるようになっていました。
体もますます重くなって力が入らない。
またあるとき突然、自分の意思と関係なく腕に力が入ったり、腕に強い痺れを感じたりする。
そうした現象が起きるようになりました。
それは本当に突然のことだったので、とても驚くとともに不安になりました。
自分の体が、自分ではないような気がする。
体も心も、自分の意思のとおりに動かない。
すでに自分ではコントロールが取れない状態だと、自分で感じていました。
病院へ
心の不安、恐怖、悲しみ、怒りの想念あるいは声とでもいうべきもの。
それらが、自分の意思とは関係なく湧きあがって自分の頭を満たしていました。
体も自分の意思にしたがって動くとは限らない。
自分の腕に自分の意思とは関係なく力が入るという現象は、そうした思いをもたらしていました。
やがて自分で自分の意思がわからなくなるような感覚がありました。
何か自分の意識が乗っ取られてしまう、自分という意識がなくなってしまう恐怖を感じるようになっていました。
このとき、このままでは自分は自分でなくなってしまうという恐怖感から、自宅にあったタウンページで(管理人が学生だった二十年前は、まだインターネットは活用できる状態ではなかった)最寄りの精神科の病院を探し、そこに駆け込んだ。
ここまでが診断を受けるまでの経緯です。
両親ともに日中は不在でしたので、自分の判断で行きました。
精神科に行くことに対する心理的な抵抗はありました。
しかしこのときは、非常な恐怖心によって、そのようなことを言っていられないほど追い詰められていました。
パニック発作
この最初に病院に行ったときの前か後か失念してしまったのですが、
パニック障害の発作を起こしたことがありました。
場所は通学中の電車の中でした。
座席に座っていたのですが、息が浅くなり、そして気分が悪くなりました。とくに吐き気が強い。
このとき、大きく揺れるような感覚がありました。
小型の船が波に大きく揺られるような感覚です。
座席は、電車の中央の通路を挟んで向き合う形式のものでしたが、座っている体が前後に大きく回転するように揺れる。
電車が物理的に揺れているというより、何か自分が認識している世界そのものが揺れているような感覚でした。
そして突如、視界がひしゃげました。
すべてがぐにゃりと歪んで見える。自分の視界そのものが、ひしゃげている。
気がついたときには、自宅のベッドの上で横になっていました。
その場からどのように自宅に帰ったのか、自分でもほとんどわかりませんでした。
果たしてこの状態から元にもどることができるのか。
そうした不安がありましたが、しばらく休んでいたら症状はおさまりました。
しかし、このことがきっかけで、電車に乗ることができなくなりました。
やがて、家からの外出もできなくなりました。外出しようとすると吐き気が強く、体に力が入らなくなりました。
このパニック障害が生じた前後から、駅のホームにいると自分の意思にかかわらず、体が線路の方に引き込まれるように感じるようになりました。
その理由はわかりません。自分の意思とは関係がないということで恐怖を感じました。
そのため電車のホームでは線路側ではなく、できるだけその反対側の奥側にいるようになりました。
また、どこかに手を触れて掴まっていないと不安に感じることもありました。
高い所でも同様に体が引き込まれるような感覚がありました。
自宅は集合住宅のやや高層の階にあったため、家にいてもベランダ側には行かないにようにしていました。
自宅から出られるようになってからも、高層の階で外が壁で覆われていないところを歩くときには、やはり恐怖を感じていました。
大学二年のとき、診断を受ける頃には、このような心身の状態になっていました。
今回の記事では、お話しはこのあたりにしたいと思います。
いかがでしたか?
うつ病、パニック障害と一口に言っても、その背景は人それぞれだと思います。
あるいは息苦しさ、緊張、吐き気、嘔吐恐怖などはよく耳にする症状なので、似たような体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
続いて次回は、病院での診断とその後の通院、カウンセリングの体験をお話ししていきます。
このような状態からどのようにリハビリをしていったのか。
また、投薬治療と減薬に関するお話しもあります。
今回の記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました!