うつ病、パニック障害を克服する過程で修得した呼吸法

2023年3月19日

前回の記事(→記事)では、気功の基本的な呼吸法である丹田呼吸を紹介しました。今回お話しする呼吸法とは、病気の症状という課題の解決を図るために、より発展させた形の呼吸法になります。こちらは、気功以外の経験なども踏まえて、管理人が自ら修得した方法になります。

殊更にオリジナルと強調した形で恐縮ですが、同じような症状がある方は、それらの解決を図っていきながら修得した方法なので、試していただければ幸いです。なお、具体的にどのような症状だったのかについては、病気だったときの症状【閲覧注意】で公開しています。

この病気を克服してから20年以上再発せず、症状はすべて残っていませんが、今回の記事で紹介している呼吸法によってすぐに対処できる態勢となったことが大きいと確信しています。

また、症状へ迅速に対処できることは安心感へとつながり、そこに意識が囚われにくくなります。ご覧いただいた方の参考となれば幸いです。

今回の記事は、以下の順序でお話ししていきます。

まず、前回お話しした気づきで今回の呼吸法につながるポイントについて簡単におさらいします。そして、丹田呼吸の後に自らの呼吸法を修得するに至った経緯と、どのような気づきを得て修得していったのかお話しします。

最終的な形としてのみではなく、どのような気づきがあったのか知っていたほうが、方法をより理解しやすくなり、ご覧いただいた方が行うときに、これらのポイントを踏まえて適切なアレンジを行えるものと期待しているからです。

それでは以下、よろしければ参考にしてみてください。

うつ病、パニック障害を克服する過程で修得した呼吸法

前回の記事(→記事)では、以下のような気づきがあったことをお話ししました。今回お話しする呼吸法は、この気づきが前提となってお話しが進んでいきますので、簡単におさらいしておきます。

呼吸法につながる気づき

前回の記事でお話しした気づきをごく簡単に纏めると、以下のようになります。

管理人は病気のときに、中国発祥の医療気功である内養功(易筋行気法)を体験しました。そして体験を通じて徐々に、病気の症状があるとき、体の気が以下のような状態になっていることがわかるようになりました。

(呼吸法の前提として気功を行うことや、気を感じることを求めるものではありません。気づきの内容を理解していただくためのものです

・体の気が頭に上がっている(上がる方向にある)
・体の首から下の気が不足し、体に循環していない

当時、悩まされていた症状との関連で、わかりやすい例では次のようになります。

・体が緊張、強張っている。首と肩の筋が張っている。
・手足が冷える。腕が痺れる。
→気が頭に上がっており、当該部分に流れにくくなっている。

・体がだるい。
→気が頭に上がっており、丹田に不足し体に循環していない。

・吐き気、胸やけがある。
・立っているときにふらつき立ち眩みがする。
→気が頭に上がっていく流れになっている。

・否定的な感情や思考で頭が満たされている。
→気が頭に上がっており、頭がエネルギー過多状態になっている。

なぜこのように体の気が頭に上がってしまうのかについては、気功で体験した基本的な呼吸法である丹田呼吸によってわかりました。自分の普段の状態を比べてみることで、よくわかるということでした。

丹田呼吸とは、丹田(下腹部の臍の下あたり一帯)に意識を置き、ゆっくり腹式呼吸をするものです。丹田は気の根源であるとともに体に循環させるポンプにあたるもので、丹田呼吸とは丹田に気を下げて収めるための呼吸法になります。

このとき大切なことは、丹田に意識を置くことです。意識が頭など高いところに残った状態では気が下がりません。(丹田呼吸の詳細をお知りになりたい方は、前回の記事(→記事)をご覧ください。)

この丹田呼吸の方法と比較して、普段の自分が以下の状態にあることに気がつきました。

・否定的な感情、思考などでいつも頭に意識を置いている。
・浅くて早い胸式呼吸(肩呼吸)をしている。
・首、肩、腕など上体が緊張している。

つまり丹田呼吸とは逆のことをしており、気が上がっていくということです。丹田呼吸は、この普段の逆の状態を矯正するうえでも効果的というお話しでした。

以上が前回の気づきの簡単な内容になります。

呼吸法に至るまでの経緯

このように丹田呼吸は有効な方法であり、そこから得た気づきも大きいものでした。そこでさらに今回の記事で紹介する呼吸法を修得するに至ったのは、どのような経緯があったのか。

1つには、息苦しさ、息がしづらいという症状の問題です。息を十分に吸うことができず、また吐こうとしても吐き切ることができず、息苦しい状態から脱することができないというものです。

もう1つには、症状が現れたときに、すぐに対処できる必要があるということです。

管理人にはパニック障害もあり、発作は外出先などで突然にやってきました。また、吐き気など様々な症状も突然、強くなったりすることがありました。これらに対して、できるだけ速やかに対処する必要があったということです

そしてまた、症状はそれぞれ独立しているのではなく、相互に複合してかなり気が上がりやすい状態になっているように感じました。

当然と言えば当然のことなのですが、例えば、体が緊張しているので肩呼吸となり、逆に肩呼吸をしているので体が緊張する、というようなものです。このように、様々な症状が絡み合うことで、かなり気の上がり癖が強くなっているのではないかということです。

気功を練功するなど体の気が流れやすい状態であれば、丹田呼吸をすればすぐに気を丹田に落とすことができますが、普段の日常では、必ずしもそのような状態とは限りません。症状があれば体が緊張して力が入ったり冷えたりして、気が流れにくい状態になります。そのような場合に、どのようにしたらすぐにより効果的な対処ができるのかということです。

より効果的に気を下げるために

気功以外の様々な体験をする中で、この課題に対処する気づきを得たのは、ある呼吸法を行ったことがきっかけでした。その呼吸法とは、簡単な紹介ですが以下のようなものでした。

・胡坐で座った状態で、体を前屈して息を吐き、体を起こしながら息を吸う。
・胸の上方に吸うようにし、一旦息を止め、息を下腹に押し下げる(肛門閉める)。
・押し下げた状態のまま数秒を数えた後、息を吐き出す(肛門開く)。

上記の呼吸を五~六回繰り返すというものです。

ここでの気づきは、これまでのお話しの流れでお分かりになる方もあるかと思いますが、下腹に押し下げるという動作です。この動作は、気を丹田に押し下げる効果が強いということです。

そして息を下腹に押し下げるには、体のある部分に注意することで、押し下げることができることに気づきました。その部分とは、横隔膜です。

横隔膜はご存じのことと思いますが、胸の肺の下辺にあります。胸の肋骨の下辺がお腹の両側に斜めにありますが、それに沿ってあるような感じです。息を吸うときにこの横隔膜を下の方向、丹田の方に向かって押し下げるようにします。

息苦しいときにわかりやすいのですが、横隔膜を押し下げるように行った場合、息を吸うことができます。ここでもうひとつの気づきですが、息苦しいとき、体が緊張しているときの自分の横隔膜がどのようになっているのか。

横隔膜は上(肩の方向)にあがったままの状態になっています。この状態では息を吸うことができず、肩呼吸をするしかないということです。そして、そのまま肩呼吸をすれば、気が上に上がってさらに息苦しくなるのです。

このほか、横隔膜を押し下げるように呼吸をしていると、お腹の活動が活発となり食欲が湧いてくることがわかります。また、気の重心が頭の方にあってバランスが悪かったものが、下がって安定するようになります。

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自ら修得した呼吸法

最後に、管理人が試行錯誤しながら自ら身につけた呼吸法を紹介したいと思います。この記事を作るときに調べてみたのですが、同じようなものは見当たりませんでした。

先ほどお話しした呼吸法は効果があると感じますが、動作がすこし複雑です。また、息苦しく息を吐くことができないときにどうすればよいのか。その答えは先ほど横隔膜であることを既にお話ししましたが、この点を加味した呼吸法となっています。

症状は、何時どこで強く起こるかわかりません。管理人の場合、電車や外食中、人が多い場所などで強くなる傾向がありましたが、どのような場所であっても簡易的にすぐ行うことができ、効果的に気を下げる方法である必要があります。

そのためには、どのようにすればよいのでしょうか。これまでお話しした中で、以下のふたつが大きなポイントになります。

1つには丹田呼吸でお話しした丹田に意識を置くこと、そしてもう1つが先ほどお話しした横隔膜です。これらのポイントに沿って行うことで、効果的に気を下げることができます。そして、これらのポイントを踏まえたものが、自ら修得した呼吸法になります。

しかし、横隔膜を下げる丹田呼吸なのかといえば、そうではありません。通常の腹式呼吸とは異なるお腹の動きになります。

その呼吸法とは。

(画像をクリックすれば、アマゾンの販売ページに遷移します。)

書籍の紹介となり恐縮ですが、こちらは本サイトの管理人である私が、自ら修得した呼吸法をまとめたものです。アマゾンの電子書籍で¥298にて購読できます。なお、kindle unlimited(読み放題サービス)の対象であり、登録されている方はそのまま読むことができます。小冊子のためすぐに通読できると思います。

方法は丹田呼吸と同様にシンプルであり、行うにあたって場所を選ばず、立った状態、座った状態いずれでも行うことができます。体を動かすこともなく、細かな制限などはありません。

これまでお話しした気づきやポイントのほか、呼吸法を行うときの体の感覚、お腹がどのように動くのかなど詳しく紹介しています。

繰り返しになりますが、呼吸法は症状が現れたときに対処できるほか、対処法を知っていることが安心感につながります。管理人の体験では、安心感によって意識が症状の存在に煩わせられることがなくなっていき、やがて気がついたときには病気は消滅していました。

効果的に体の気を下げることを繰り返すことは、諸々の要因となる気の上がり癖を克服することにつながります。気が上がる状態が日常となった自分の体に、気が下がった状態を経験させて覚えさせるのです。

経験したことがない状態というのは当然わかりませんが、経験したことのある感覚を思い出すことはできます。最終的には、気が下がった状態を体がすぐに思い出し、その状態になれるようになりま

この呼吸法を行うことで、症状から解放され、病気を克服することができた。ご覧になった方が、そのようになることを期待しています。


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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