うつ病、パニック障害を克服する過程で修得した呼吸法

2024年11月24日

今回の記事で紹介する呼吸法とは、前回の記事(→記事)でお話しした気功の基本的な呼吸法である丹田呼吸を踏まえ、うつ病、パニック障害の症状に対処するため、さらに発展させた形の呼吸法になります。管理人が症状に対処する上で、自ら試行錯誤しながら修得した呼吸法になります。

殊更にオリジナルを強調した形で恐縮なのですが、管理人と同じような症状がある方は、それらの解決を図っていきながら修得した方法なので、試していただければ幸いです。なお、具体的な症状については、別の記事(→病気だったときの症状【閲覧注意】)で公開しています。

この病気を克服して症状がすべて無くなり、さらに20年以上再発や揺り戻しもなく経過しましたが、この記事で紹介している呼吸法が大きく貢献していると確信しています。

また、症状に迅速に対処できる方法を知っていることは、安心感へとつながり、病気に意識が囚われにくくなります。このことは、病気を克服するポイントの一つであると感じています。この記事が、ご覧いただいた方の参考となれば幸いです。

今回の記事では、まず、前回のポイントを簡単におさらいし、そのうえで丹田呼吸を踏まえて自らの呼吸法を修得するに至った経緯をお話しします。その後、どのような気づきを得て自らの呼吸法を修得したのかお話しします。

呼吸法を修得する過程のお話しをするのは、修得する過程で得た気づきの内容を知っていたほうが、呼吸法をより理解しやすくなるためです。ある意味では、この過程の気づきの内容の方が、大切であると思っています。

それでは以下、よろしければ参考にしてみてください。

うつ病、パニック障害を克服する過程で修得した呼吸法

今回の呼吸法は、前回の記事(→記事)でお話しした気づきの内容が前提となりますので、以下、ポイントのみ簡単におさらいしておきます。

呼吸法につながる気づき

今回の呼吸法につながるポイントをごく簡単に纏めると、以下のようになります。

中国発祥の医療気功である内養功(易筋行気法)を体験する中で、徐々に、病気の症状が出ているときには、体の気が以下のような状態になっていることが感じられるようになりました。

・体の気が頭に上がっている(上がる方向にある)
・体の首から下の気が不足し、体に気が循環していない

この状態を「気が上がる」という言い方をしたりします。この気の状態によって引き起こされるわかりやすい例としては、次のものがあります。

・体が緊張、強張っている。首と肩の筋が張っている。
・手足が冷える。腕が痺れる。
→気が頭に上がっており、該当部分に流れにくくなっている。

・体がだるい。
→気が頭に上がっており、体に不足している。

・吐き気、胸やけがある。
・立っているときにふらつき立ち眩みがする。
→気が頭に上がっていく流れになっている。

・否定的な感情や思考で頭が満たされている。
→気が頭に上がっており、頭がエネルギー過多状態になっている。

また、東洋医学では頭寒足熱、頭が涼しく手足が温かい状態が良いとされているのですが、上記の状態は気が上がって頭が熱く手足が冷えた状態となっており、逆の状態に陥っていることがわかります。

これらの状態を解消するためには気を下げる必要があって、そのための方法として丹田呼吸を紹介しました。

丹田呼吸とは、丹田(下腹部の臍の下あたり一帯)に意識を置いて、ゆっくり腹式呼吸する方法です。丹田は体の気の根源であり、体に循環させるポンプにあたるもので、ここに気を下げて蓄積することで、気が体に循環するようになります。(丹田呼吸の詳細は、前回の記事(→記事)をご覧ください。)

丹田呼吸のポイントは、丹田に意識を置いてという部分にあります。丹田に意識を置いてあれば、あえて息を入れるのにお腹を膨らませなくとも、自然に腹式呼吸となるのです。逆に、やってみればわかりますが、丹田に意識を置いて胸式呼吸をすることはできませんし、丹田を意識したまま首、肩、胸などの上体に力を入れることもできません。

反対に意識を頭などの高い所に置いていれば、胸式呼吸になったり、上体に力が入って緊張したりしやすくなります。そしてこの場合、気が体の高い所に残りやすく、なかなか下がって来ないのです。

また丹田呼吸との対比によって、普段の自分が以下の状態にあることがわかるようになりました。

・否定的な感情、思考などでいつも頭に意識を置いている。
・浅くて早い胸式呼吸(肩呼吸)をしている。
・首、肩、腕など上体が緊張している。

これらは丹田呼吸とは全く逆のことをしているので、気が上がっていくことになります。これら気を上げやすくする普段の状態を矯正するうえで、丹田呼吸は効果的だというお話しでした。

以上が、今回の呼吸法につながるポイントの内容になります。

発展させた呼吸法を修得した経緯

これまでお話ししたように丹田呼吸は有効な方法であり、得た気づきも大きいものでした。それではなぜ、さらに発展させて自ら呼吸法を修得する必要があったのかということですが、そこには以下のような経緯がありました。

一つには、息苦しい状態への対処という問題です。息を十分に吸ったり、吐き切ることができず、息苦しい状態から脱することができない状況に陥ったときに、どのように対処するかということです。

そしてもう一つには、症状が現れたときに、すぐ対処できる必要があるという問題です。強い症状や発作は突然に発生することがあり、例えば外出中にも突然強い吐き気やパニック発作が起きることもありました。これらに対して速やかに対処する必要があったということです

気功を練功した後など、体の気が循環して流れやすい状態になっていれば、丹田呼吸で速やかに気を丹田に落とすことができます。しかし普段、常にそのような状態とは限りません。突然、症状や発作が発生するときというのは、心の影響などによって体の気が流れにくい状態であったりします。このような状態であっても、効果的に気を丹田に下げ、速やかに症状や発作を落ち着かせる必要があります。

この効果的に気を下げる必要性については、当時、かなり気が上がりやすい状態だったということもあります。普段、自分が気を上げる行為に陥っているというお話しをしましたが、気が上がっているのでこれらの行為に陥りやすくなっている部分もあります。

さらに、これらの行為が相互に影響して気が上がりやすくなっている部分もあります。例えば首、肩、胸など上体が緊張することで肩呼吸となり、肩呼吸を続けることで上体が緊張するという具合です。このように、相互に絡み合うことで気が上がる状態を脱しにくくし、気が上がる癖が強くなっているということです。気が上がって症状が悪化すれば、心や体が緊張してさらに気が上がりやすくなります。

これらの課題を解決するため、試行錯誤が続くことになり、より効果的に気を下げる自らの呼吸法の修得につながることになりました。

より効果的に気を下げるために

この課題に対処する気づきを得たのは、気功以外の様々な体験をする中で、ある呼吸法を行ったことがきっかけでした。その呼吸法とは、大まかな紹介ですが以下のようなものでした。

・胡坐で座った状態で、体を前屈して息を吐き、体を起こしながら息を吸う。
・胸の上方に吸うようにし、一旦息を止め、息を下腹に押し下げる(肛門閉める)。
・押し下げた状態のまま数秒を数えた後、息を吐き出す(肛門開く)。

上記を五~六回繰り返すことになります。

ここでの気づきは、下腹に押し下げるという動作です。この動作は、気を丹田に押し下げる効果が強いと感じました。

そして息を下腹に押し下げるには、体のある部分に注意することで、効果的に押し下げることができます。その部分がどこかと言えば、横隔膜です。普段あまり意識しない部分と思いますが、ここが次の呼吸法につながるポイントになります。

横隔膜はご存じのことと思いますが、胸の肺の下辺にあります。肋骨の下辺がお腹の両側に斜めにありますが、それに沿ってあるような感じです。息を吸うときにこの横隔膜を下の方向、丹田の方に向かって押し下げるようにします。

息苦しい症状があるとき、横隔膜を押し下げるようにすれば、息を吸うことができました。それはなぜでしょうか。ここでもう一つの気づきですが、息苦しく感じるとき、自分の横隔膜がどのようになっているかということです。

息苦しさ以外にも、心や体が緊張したりしているときなどには、横隔膜は肩の方向に上がった状態になっています。横隔膜が上がる感覚がわからないという方は、ハッと驚いてみれば、胸の下辺が上がる感覚がわかるのではないかと思います。

横隔膜が上がった状態では当然、胸に息は入りにくく、意識しなければ肩呼吸を続けることになります。肩呼吸を続けていれば丹田呼吸とは逆で気が頭に上がっていき、上体が緊張するなどしてさらに息苦しくなるのです。

このほか、横隔膜を押し下げるように呼吸をしていると、お腹の活動が活発となり食欲が湧いてくることがわかります。また、気の重心が頭の方にあってバランスが悪かったものが、下がって安定するようになります。

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自ら修得した呼吸法

それでは最後に、管理人が試行錯誤しながら自ら身につけた呼吸法です。この記事を作成する時に調べましたが、同じ方法は見当たりませんでした。

先ほど紹介した呼吸法は、効果があると感じますが動作手順がやや複雑です。強い症状や発作は、いつどこで起きるのかわかりません。管理人の体験では、電車の中や人が多い場所、外食中などにも起きることがありました。そのような場合にも対処するには、簡易的でありながら効果的に気を下げる方法である必要があります。

また、息苦しく息を吐くことができないときにどうすればよいのか。その答えは先ほど横隔膜であることを既にお話ししましたが、この点を加味した呼吸法となっています。

 

そのためには、どのようにすればよいのでしょうか。これまでお話しした中で、以下のふたつが大きなポイントになります。

1つには丹田呼吸でお話しした丹田に意識を置くこと、そしてもう1つが先ほどお話しした横隔膜です。これらのポイントに沿って行うことで、効果的に気を下げることができます。そして、これらのポイントを踏まえたものが、自ら修得した呼吸法になります。

しかし、横隔膜を下げる丹田呼吸なのかといえば、そうではありません。通常の腹式呼吸とは異なるお腹の動きになります。

その呼吸法とは。

(画像をクリックすれば、アマゾンの販売ページに遷移します。)
※内容を改訂し、令和6年10月25日に第2版を発行しました。

書籍の紹介となり恐縮ですが、こちらは本サイトの管理人である私が、自ら修得した呼吸法をまとめたものです。アマゾンの電子書籍で¥298にて購読できます。なお、kindle unlimited(読み放題サービス)の対象であり、登録されている方はそのまま読むことができます。小冊子のためすぐに通読できると思います。

方法は丹田呼吸と同様にシンプルであり、行うにあたって場所を選ばず、立った状態、座った状態いずれでも行うことができます。体を動かすこともなく、細かな制限などはありません。

これまでお話しした気づきやポイントのほか、呼吸法を行うときの体の感覚、お腹がどのように動くのかなど詳しく紹介しています。

繰り返しになりますが、呼吸法は症状が現れたときに対処できるほか、対処法を知っていることが安心感につながります。管理人の体験では、安心感によって意識が症状の存在に煩わせられることがなくなっていき、やがて気がついたときには病気は消滅していました。

効果的に体の気を下げることを繰り返すことは、諸々の要因となる気の上がり癖を克服することにつながります。気が上がる状態が日常となった自分の体に、気が下がった状態を経験させて覚えさせるのです。

経験したことがない状態というのは当然わかりませんが、経験したことのある感覚を思い出すことはできます。最終的には、気が下がった状態を体がすぐに思い出し、その状態になれるようになりま

この呼吸法を行うことで、症状から解放され、病気を克服することができた。ご覧になった方が、そのようになることを期待しています。


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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