《会食恐怖症》を克服した方法について

2024年5月29日

最近、《会食恐怖症》という言葉を聞くことがあります。端的に言えば他人と一緒に食事ができない、というものです。

私はうつ病、パニック障害になる以前より、この状況に長く苦しんだ経験があります。そして、うつ病などの病気を克服したと同時にこの状況もなくなり、以後現在に至るまでありません。

今回は、この《会食恐怖症》をどのような方法で脱することができたのか、以下、お話ししてみたいと思います。

具体的にどのような状態だったのか

会食できない状態とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

大学生だったときの話ですが、学生食堂で友人と一緒に昼食を摂ろうとします。その途端、非常に緊張して吐き気が生じ、食事が喉を通らなくなるのです。

ある日突然に陥ったというものではなく、その前兆となる経緯はありました。

幼少時より転居することが多かったのですが、新しい環境になる度に、胃部が痛くなったり食欲が減退したりしました。転校した学校の給食では、やはり食事が喉を通らなくなったのですが、周囲から奇異の目で見られないよう、無理して食べるようにしていました。

奇異の目で見られないよう、というのは、フードロスを避けるため食事を残さないという教育があり(むろんそれは理解できるのですが)、体調が優れない場合であっても食事を残しづらく、残す場合には都度、教師の了解を求める学校もありました。

自宅ではこれらのプレッシャーもないので精神的に楽なのですが、学校の給食の時間は非常に苦痛を覚えるようになりました。

時間が経って環境に馴れてくれば、状態も緩和されて普通に食事できるようになったのですが、しかし転居したら状態が戻ってしまう、ということを繰り返していました。

高校生活の後半に差しかかった頃から、慢性的に食欲が減退する状態が続き、学校での昼食では吐き気を感じながら握飯を1個か2個のみ食べるという状態が1年余続きました。そして大学への進学後も変わらず、昼食は学生食堂で少量の麺類を食べるという生活が続きました。

麺類は他のメニューに比べて量が少なく、汁気で喉に流し込むための選択でしたが、食べきれずに残すこともありました。極度の緊張と吐き気から一口、二口ほどしか食べられないこともあり、友人が一緒でない場合でも、他人が周囲に存在する外食時にはこのような状態になっていました。

食事が喉を通りにくいため細々と食べる様子となり、その様子を友人などに奇異の目で見られるのではないか、あるいは周囲は楽しく歓談しながら食事する中で、自分は吐き気に悩まされながら完食できるか心配し、自分の様子は周囲の場の空気を壊しているのではないか、食事を残せば店に対しても失礼になるだろう、といった不安感もあり、非常に苦痛な時間でした。

冒頭でお話ししたように、非常に緊張して吐き気が生じ、食事がまったく喉を通らなくなり、まさに会食が苦痛であり恐怖でもある《会食恐怖》の状態となりました。

さらに学生食堂や外食店といった「場所」にも入ることができなくなりました。入ろうとしたり、近づいたりするだけで体が緊張し、冷えて脱力したように感じ、吐き気が生じたためです。

苦痛ならば食べなければよい、ということで実際、昼食を食べずに過ごすこともありました。しかし空腹感が無くなるわけではなく、立ち眩みのような現象も度々、起こしていました。自宅で食事する分には問題ないため、授業を早々に切り上げて帰宅することもありました。

心理面にも悪影響があり、食事という日常の行為ができない自分は、今後、まともな社会生活が送れないと不安を感じるようになりました。事実、友人との行動にも支障をきたし、異性との食事もできず、自信を喪失する状態でした。

病院で診てもらわなかったのだろうか、と疑問に思われた方もあるかもしれません。

幼少時から食欲の減退がある度、内科を受診しましたが、検査しても異常は見つからず、消化を促す薬が処方される程度でした。大学生のときにうつ病などの診断を受け、精神薬の投薬によって学生食堂に入ったり、少量の麺類が食べられたりする程度にはなったものの苦痛が生じることに変わらず、処方薬が増えても改善はありませんでした。

以上が《会食恐怖症》になった経緯と症状の内容です。

私の場合、幼少時からの前兆を含めれば、長い期間続いたことになります。食欲が減退するのは一種の体質であって、今後も良くならないだろうと諦めたこともありました。

しかし先にお話ししましたが、うつ病などの克服と同時に症状は解消してしまい、以後、まったくありません。その経緯と方法がどのようなものであったのか、次にお話ししてみようと思います。

どのように解消することができたのか

《会食恐怖症》が解消するきっかけとなったのは、気功の体験によるものでした。(体験内容は別の記事(→記事)にまとめています。興味のある方はご覧ください。)

うつ病などの投薬治療が重く、他の方法もということで偶々始めた気功でしたが、しばらく続けた頃に以下のような出来事がありました。

気功教室で練功を終えた後、帰途に偶々同行していた家族と外食店に入りました。この頃にはリハビリを兼ねて家族と外食店に入る機会があり、やや緊張はしたものの、スムーズに入ることができました。

気功を練功した後は、温かな気が体全体に流れてリラックスした状態になります。その状態が続いたまま店に入ったので、いつもの体が緊張するなどの反応は出にくかったのかもしれません。そして、状態が良かったので定食を注文しました。刺身の定食で、完食しました。このときのことは、現在でもよく憶えています。

外食店に入るときの体の緊張、吐き気などは一種の条件反射、癖のようになっていたものですが、このときには出ませんでした。この出来事をきっかけとして、成功体験を繰り返すことで、会食も問題なくできるようになっていきました。

気功を続ける中で、体が緊張したり、吐き気が生じたりするときには、体の気が頭の方へ上がる、いわゆる「気が上がる」状態になっていることが多いことに気がつきました。しかし練功した後には、「気が下がる」、つまりお腹の丹田(下腹部分)に下りてくる状態になっています。このように、自分の体のリラックスした状態がわかるようになったということも、解消に寄与したと思っています。

これら気功によって得た気づきの詳細は、別の記事「気を下げて丹田に入れることで症状を落ち着かせる方法」(→記事)でお話ししています。興味のある方は、こちらを参照していただければ幸いです。

長い間悩まされ続けて、体質によるものなので癒えることはないだろうと思っていたものが、意外とすぐに完全に解消されたことには、自分にも驚きがありました。

うつ病、パニック障害の克服と同時期になったことについても、様々な症状が「気が上がる」ことで生じているという、同じ原理によることに気づき、対処方法も同じだったからということもあります。

今回の記事では、《会食恐怖》の症状を解消するきっかけとして気功の体験を取り上げましたが、気を下げる方法としては、他に呼吸法によることも可能で、記事(→記事)にまとめていますので、興味のある方はこちらもご覧いただければと思います。

なお、《会食恐怖》によるやや強迫的な思い癖、周囲から奇異の目で見られたら等々も、自然に気にならなくなりました。

緊張して気が頭に上がれば頭が過熱状態になり、様々なことを思い巡りやすくなりますが、気が体をめぐって丹田(下腹部分)に下がれば、リラックスし、心は自然に穏やかな状態になっていきます。そもそも会食できるという成功体験があれば、気にする必要も無くなります。

元々、周囲の目を気にする傾向があったのですが、この頃には、周囲からの影響を受けにくくする心の意識づけの方法も得ることができました。それが《会食恐怖》の解消に寄与した部分もあったかもしれません。その方法も別の記事(→記事)にまとめていますので、必要があればご参照ください。

以上が、《会食恐怖症》を解消した経緯になります。

***

《会食恐怖症》を解消した方法に関してのお話しですが、いかがだったでしょうか。

前兆となる食欲減退を含めれば長い間悩まされた症状でしたが、偶々気功を体験したことから解消につながり、これまで戻ることはなく、日々会食を楽しく行っています。ご覧の皆さんの参考となる部分があったならば、幸いに思います。


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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