藤平光一著「中村天風と植芝盛平 氣の確立」を読んでみて|その意識の置き方
藤平光一著「中村天風と植芝盛平 氣の確立」(東洋経済新報社)
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著者は合気道で大変著名な方(故人)ですが、武道を嗜まないことからこれまで寡聞にも知らず、最近になって本著を読みました。こちらの書籍を取り上げたのは、病気のときに試行錯誤して自ら修得した呼吸法について、別の視点による発見があったからです。
なお、上記の呼吸法について未読の方は、メイン記事「うつ病、パニック障害を克服する過程で修得した呼吸法」で紹介していますので、ご覧いただければ幸いです。
病気を克服してから20年以上が経っていますが、最近となっても新たな発見があります。症状への対処や、呼吸法を行うにあたって参考になるところもあるかと思いますので、以下にお話ししてみたいと思います。
上記の記事では、呼吸法を行うときの大切なポイントとして次の2つをお話ししました。意識を丹田に置くこと、横隔膜を押し下げるようにすることです。これらによって頭に上がった気を効果的に丹田に下げることができるということでした。
初見の方もおられるかもしれないので念のため申し添えますが、ここでの気は病気を克服する過程で気功(易筋行気法)を体験したことによるものです(合気道ではありません)。また、気功の体験による気づきの内容を理解していただくためにお話ししており、気功の推奨が目的ではありません。
気をなぜ下げる必要があるのかについては、メイン記事「気を下げて丹田に入れることで症状を落ち着かせる方法」で詳細をお話ししているため割愛しますが、病気のときには、体の緊張や強張り、息苦しさ、吐き気、だるさ、手足の冷えや痺れ、立ち眩みなどの症状がありました。
そしてこれらの症状があるときの自らの気の状態を省みて、体の気が頭の方に上がっている(上がる流れになっている)ことによるものと気づいたことにあります。
気功の基本的な呼吸として、丹田(臍下の一帯)に気を下げる丹田呼吸があります。上記の要因に気づいたのは、意識を丹田に置き、ゆっくり腹式呼吸をする丹田呼吸とは逆のことをしており、気が上がっていくということです。(丹田呼吸の詳細な方法は、上記記事(→記事)で紹介しています。)
丹田呼吸とは真逆の状態で、気が上がる要因となっていることとして、普段の日常において、呼吸が浅く早く、胸の上部で行う肩呼吸となっていることや、肩や胸など上体が緊張して力が入っていることが挙げられます。また、否定的な想念、感情などで頭が過熱し、常に意識が頭など体の高い所にあることが挙げられます。
気を下げて丹田に入れるのに特に重要なのは、呼吸をするときに、
・お腹の臍下にある丹田に意識を置く
・横隔膜を下げるように呼吸をする
ということでした。
これらの気づきと呼吸法のポイントに照らし、今回紹介する書籍では、以下の気づきをもたらせてくれました。
タイトルにある植芝盛平氏は合気道の開祖にあたり、武道の達人でしたが、著者はそれは「リラックス」の達人に由来するものであったと述懐しています。それでは、どのようにすればリラックスできるのでしょうか。
そのための一つの方法として、意識の置き方が紹介されています。それは「体の一番下に重さを置く」というものです。非常に簡明な方法だと思います。
重さを置くということですが、重さは当然、下に向かいます。管理人はこの方法を試しましたが、自然に横隔膜が下がりやすい状態になります。そして、肩、胸など上体が自然にリラックスした状態になります。呼吸も下方向、丹田の方に向かう呼吸となります。
また、一番下なので、意識の重心もかなり下の方になるのですが、安定しやすいものと感じました。
管理人の体感では、丹田下から足にかけてのあたりにかけて重さを置く。
管理人は気功の体験と息苦しさから、呼吸法によって克服をしました。
しかし意識を置き方でそうした状態にできる。
著者はいろいろな説明も、結局はひとつの状態のことを言っていると喝破していますが、たしかにシンプルな一言で十分なのだ。
そのように感じます。
ぜひ皆さんもこの意識の置き方をしてみて、自分の体が、先ほどお話しした状態になっているか感じてみてください。
寝ているときは背中側ではない。
もし同じような状態になっていれば、上がっていた気も自然と下に下がって丹田に収まる。
症状も緩和してくるのではないかと思います。
著者の「氣」の方法論、ご一読をおススメします。
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藤平光一著「中村天風と植芝盛平 氣の確立」(東洋経済新報社)
以下は管理人が実際に克服したときの呼吸法を紹介した本です。
(気功などの体験を通じて独自に修得したもので、本記事の合氣道とは関係ありません。)
気を効果的に降ろして重心を安定させる方法です。
いつでもどこでもできて簡単です。
管理人は武道の達人でもありませんし、特別なことをしたわけでもありません。
それでもうつ病、パニック障害を克服し、以来症状はまったくありません。