うつ病、パニック障害を克服するまでの途 Ⅳ ー 気功と呼吸 ー

2024年10月20日

前回の記事では、通院と投薬治療を行う中で偶々気功と出会った始めることになった経緯、そして続けることで感じた体の全体的な変化や、個別の効果についてもお話ししました。そしてこの出来事は、それまでの流れから大きく転換させてくれたものと感じています。

今回のお話しは、気功のお話しの後半になります。内容としては、気功を行う中で、うつ病、パニック障害の症状との関連でどのような気づきがあったのかについて、お話しすることにします。

内容としては、メイン記事「気を下げて丹田に入れることで症状を落ち着かせる方法」(→記事)と重複する部分もありますが、本記事では方法として整理されたものでなく、体験した内容を中心としてお話ししていきたいと思います。

それでは、お話しを始めさせていただきます。

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気功と呼吸

気という視点

気功をしていると、体が温かな気に包まれているのを感じる。
両方の手を少し離して向かい合わせてみると、その間に温かな気を感じる。

「気」を感じるようになったこと
この感覚を得たことは、大きな変化をもたらしました。

それまでとは異なる、自分の体への新たな視点、新たな感じ方でした。

例えば、腕が冷たい、痺れる感覚がある。

気功を体験する前は、以下のように認識していました。
それは、物理的に冷えているから、血流が悪いから、神経が刺激されているからだろう。

このような肉体的な反応として認識していました。
もちろんそれもあるのですが、気の視点としては、以下の認識が加わります。

腕に気が十分に流れていない
腕以外にも、例えば肩に、気の流れを阻害する原因がある
体全体の気が不足している

これらのことがあるため、腕がそのように感じているのではないか。
そして、自分の体を気の視点から感じてみる。

そうしたことを行うようになりました。

症状を肉体的な現象のみならず、体全体の気の流れから見るようになった
そのように言えると思います。

そして、気という視点で、自らの体がどのような状態にあるのか。
普段から意識せずとも、体を感じながら確認できるようになりました。

そして、このように体を認識することが当たり前になりました。
このことは現在にいたるまで続いています。

気の視点で見るようになってからは、症状の体感も変化していきました。

例えば、吐き気の症状があるとき。

胃や腸が固くなって、動きが悪い
胃酸が多く、お腹にガスが溜まっている

肉体的にこのような感覚を受けていました。
気の視点からは、以下のような体感が追加されました。

お腹が冷たく、温かな気が通っていかない
鳩尾(みぞおち)が固く、体の縦の気の流れが阻害されている

肉体的な感覚のほか、気の視点による感覚もあわせて感じるようになった
このことが、症状の体感に影響を与えているのではないかと思います。

気が通っていない体の部分は、気の視点では、このように冷たかったり、固く凝っているように感じられます。
その部分には温かな気が流れていかないことが、感覚としてわかるようになりました。

そしてまた、気が通っていないと感じた部分に、自分で温かな気を通していく。
そのような対処もある程度、できるようになっていきました。

症状があるときの気の状態は → 気が上がっている

症状がある日常の状態と、気功をして症状が落ち着いた状態を交互に繰り返していく。

そうすると、自然に両者の体の違いが自覚できるようになってきました。
気の視点で見たときに、両者の違いはどこに感じられるのか

日常の症状としては、例えば、

・手足の冷え、体の冷え
・腕の痺れ
・体の緊張、こわばり
・首や肩の凝り
・息苦しさ
・だるさ
・吐き気
・ふらつき
・不安、恐怖で頭が満たされている

こうしたものがありました。

これらの症状があるとき、体の気はどのように感じられるのか。
全体的な傾向として気がついたことを一言でいえば、「気が上がっている」ということです。

それはつまり、

体の気がすべて頭のほうに上がっている
逆に、首から下に気がなく、体に循環していない

あるいは

体全体の気が不足している

ということです。

これが気づきでした。
先ほど挙げた症状についても、この観点から以下のように言えます。

・気が上がって体に十分な気が流れないので、手足や体の冷え、痺れを感じる。
・気が上がって体に気が通らずゆるまないので、緊張、こわばり、凝りといったものを感じる。

・気が上がって重心が頭にあるので、バランスが悪く、ふらつきを感じる。
・気が上がっていく流れにあるので、上にあがる吐き気を感じる。
・気が上がって体に気が十分にないため、だるさを感じる。

なお、不安、恐怖で頭が満たされている症状は、後でお話ししますが、気が上がる誘因となっていました。

体の気が上がることによる根本的な問題はどこにあるのか。
それは下腹の丹田から気がなくなることです。

気功では、すべての動きが終わった後、必ず気を丹田に下げて鎮めることをします。
これを気沈丹田と言います。

前回の内養功の紹介でもお話ししました。
なぜ丹田に気を鎮めるのか。

それは、丹田は体の気の貯蔵庫であり、気を全身を巡らせるポンプであるためです。
これは気功をしていて体感的にも感じたことでした。

逆に気沈丹田を行わないと、体に流れた気が頭に上っていったりしてしまうのです。

体の気が上がるということは、気が頭に大きく偏っている、丹田になくなっている状態です。
このため、体に気がめぐらず不足した状態になる。

この状態を解消するには、上がった気を下げる必要があります。
では、どのようにすればよいのか。

もちろん気功を行えば良いというのはあります。
症状を感じるときには、教室以外に自宅でも行ったりしていました。

このほか日常の場面で気を下げる方法として、丹田呼吸と呼ばれるものがあります。

なぜ体の気が上がってしまうのか。
この気づきにつながるわかりやすい方法なので、次に紹介したいと思います。

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頭寒足熱

丹田呼吸の紹介の前に、症状があるときと体の気が下がったときの状態。
両者を比較するわかりやすい言葉を紹介したいと思います。

頭寒足熱という言葉です。

私は気功をしていた頃に知りました。
健康に良い体の状態を指す言葉として知られています。

文字通り、頭が涼しく手足が温かい状態が良い状態とされています。

症状があるときの私の体は、真逆の状態でした。
先ほどの日常の症状でお話ししたとおり、頭が熱く手足が冷たい状態でした。

そしてこのとき、体の気は上がっている状態でした。

前回のお話しで、気功をしたときには、手足が温かな状態になったことを紹介しました。
体に温かな気がめぐるようになることで、手足が温かくなります。

つまり頭の気を下げて体に流すことは、頭寒足熱の状態につながるということです。
気の状態と頭寒足熱の状態は、密接に関係しているということです。

気功以外にも、例えば温水などで手足を温めるのと何が違うのだろうか。
そのように思われた方もおられるかもしれません。

気功を体験するより以前に、温水で刺激した経験、お灸をした経験もありました。
このとき、一時的にその部分が温まることはあっても、持続する効果を感じることはできませんでした。

一方で、気功をしてからは手足の冷えを感じることはなくなりました。

こうした外的なもので温めることと、自ら気を流して温まること。
両者にはやはり異なるところがあるように感じます。

例えば温水で手を温めても、必ずしも手に気が通るようになることはありません。
頭に上がった気が丹田に下がるものでもありません。

体を外側から部分的に刺激するのではなく、自分で気を内側から体全体にめぐらせていくこと。
そのためには、気の視点を持ち、気の流れを感じること。

気功の体験から、この大切さを身をもって感じました。

気を下げるには

呼吸と気の流れは密接に関係している。
このことを体感したのは、気功の動作に呼吸をあわせるようになったときのことでした。

それまで動きをまねるだけでしたが、呼吸をあわせて行えるようになる。
このとき、体により強く気が流れるように感じたからです。

そして気功の呼吸を通じて、なぜ気が上がってしまうのか。
このことに気がつきました。

ここでは、気功の基本的な呼吸である丹田呼吸
この方法を紹介するとともに、気づきの内容についてお話ししていきます。

先ほどの動作のときの呼吸法とは少し異なるのですが、シンプルでポイントは同じだからです。
また、皆さんが日常生活で行える方法ということもあります。

丹田呼吸はよく知られている呼吸法ですが、私が知ったのは気功を始めてからです。
それまで、呼吸法というものに関心がありませんでした。

方法についてポイントを絞ってお話しすれば、以下のようになります。

丹田を意念しながら、ゆっくり腹式呼吸をする

細かなことをおしゃる方もおられますが、私の体験からすれば、これで十分だと思います。
このように呼吸することで、体の気が下がって丹田に蓄積するようになります。

ポイントは、「意念」「腹式呼吸」です。

意念というのは、気を感じながら意識を置くというような意味です。
丹田を意念するということは、丹田に意識を置いて、そこに温かな気を感じてみる。

腹式呼吸を行うごとに丹田の気が練られて、お腹が温かく感じられることもあります。

腹式呼吸は、文字どおりお腹で呼吸するというものです。
対になるものとして、胸式呼吸があります。

つまり、胸ではなくお腹で呼吸をする。
息を吸うときにお腹を膨らませて、吐くときに凹ませるようにします。

なお丹田呼吸の注意点としては、以下のことがあります。
意念のない、単なる腹式呼吸にならないようにする、ということです。

私の体験では、意識が症状に囚われてしまうということがありました。
丹田を意念せず、形だけ腹式呼吸をしていることになります。

そうなると、お腹に冷たい空気が出入りする感覚があるだけ。
症状は落ち着かず、先ほどの気の効果もなかなか感じることができません。

丹田を意念して、温かな気を感じる(イメージする)ようにする。
この点を、忘れないようにしてみてください。

この丹田呼吸を、無意識に行うことがあります。
それは体に気を通そうとするときです。

固くなったり冷たくなって気が通っていない部分に、自分で気を通すことができるようになった。
前にこのようなお話しをしました。

その部分に気を通そうとするとき、意識せず丹田呼吸をするような形になります。

丹田は体の気の貯蔵庫であり、気をめぐらせるポンプである。
こうした体験からも、実際に丹田がそのような存在だと感じられます。

さて、丹田呼吸するときのポイントである意念と腹式呼吸。
これらが、体の気が上がってしまうことの気づきになりました。

その内容を、次にお話ししていきます。

何故、気が上がるのか

症状を感じるとき、体の気が上がってしまっています。
何故、気が上がってしまうのでしょうか。

体の気を丹田に下げる丹田呼吸。
そのポイントは、意念と腹式呼吸でした。

では、普段日常で症状を感じるとき、これらがどのようになっているか。
以下のことがわかってきました。

まず、呼吸についてです。
普段の自分がどのような呼吸をしているか。

はっきりとわかるのは、息苦しいと感じているときです。
このとき、以下のように呼吸していました。

胸の上部で呼吸している。
早く、浅く呼吸している。

意図せず、丹田呼吸の「ゆっくりした腹式呼吸」とは逆のことをしている。
このことがわかってきました。

そしてまた、気功を体験する以前は、以下のことをしていました。

胸を膨らませたり、肩を上げたりして息を吸おうとする。
つまり、息を吸うということは、そうするのが当然だと思っていました。

この場合、まったく息を吸うことはできず、逆にさらに息苦しくなりました。
呼吸の方法を意識しておらず、そこに問題があるということを自覚していなかったのです。

意念はどうだったか。

症状として、不安、恐怖、悲しみなどが頭に渦まいている状態です。
悩んだり、考えごとをしたりもしている。

このとき自分の意識がどこにあるのかと言えば、頭です。
強く頭に意識があって、過熱した状態にあります。

これは丹田呼吸の「意念は下腹の丹田」とは逆に、頭、体の上のほうに意念があります。
自分の体感としても、このことがわかりました。

つまり、呼吸と意念ともに、丹田呼吸とは逆の状態にある
普段のこうした状態が、体の気を上げてしまっている。

これが気づきでした。

呼吸に関しては、ほかに以下のことがわかりました。
呼吸法と体の緊張との関係です。

丹田呼吸(腹式呼吸)しているとき、首や肩、上体の力は自然に抜けてきます。
逆に、胸の上部で呼吸(胸式呼吸)しているとき、自然に緊張してきます。

上体を緊張させて、腹式呼吸をすることはできません。
お腹に空気が入っていかないのです。

皆さんも試しに呼吸してみれば、自分の体で感じられると思います。
呼吸法と体の緊張とは関係しているということです。

体が緊張して固くなれば気が通らなくなり、やがて冷えてきます。
この側面からも、呼吸が症状に影響していることがわかりました。

以上が、気功の呼吸法を通じてわかったことでした。
内容をまとめれば、以下のようになります。

・普段、呼吸と意念ともに丹田呼吸とは逆の状態にあるため気が上がってしまう
・胸式呼吸によって上体が緊張することも、症状に影響している

それではこうした気づきを踏まえて、どのように対処すればよいのか。
次にお話ししていきたいと思います。

落ち着いた状態をどのように維持するか

気功をした後は、症状が落ち着いています。
この症状が落ち着いた状態を、普段どのように維持するか。

気が下がった状態は、気功をして体が覚えています。
自らの体を内観しながら、どのようにしたら再現できるか試みていく。

先ほどの気づきを踏まえて行っていたのは、以下のことでした。

それは、前回もお話しした気功の基本姿勢です。
下腹に意念を置いて、上体の力を抜いて両足でバランスよく立つ、というものでした。

この姿勢を取ったときには、自然に下腹で呼吸する形になります。
皆さんも試しに行ってみればわかるのではないかと思います。

そしてこのとき、丹田呼吸のポイントでお話ししたように、意念を丹田に置いてそこに温かな気を感じるようにします。

この状態は、気づきの内容とは逆の状態になっています。つまり、

・意念が丹田にあって、下腹で呼吸している
・胸式呼吸ではないため、上体がリラックスしている

また、前回お話ししたように両足でバランスよく立つ。
これによって姿勢に歪みがなく、体の縦の気の流れがスムーズになります。

つまり、気が頭から丹田に下がりやすくなる。

これら基本姿勢と呼吸とを行うとき、気が流れる状態が維持されやすいと感じました。
そして普段、どこにいても意識して行うようになりました。

意識して、というのは、気がついたら胸の上部で呼吸していた。
あるいは、不安や悲しみで頭が満たされて、意念が頭にある状態が続いていた。

こうしたことがよくありました。
心と体の影響からか、癖のようになっていたのだと思います。

この状態が続くと、気が上がってさまざまな症状が生じてくる。

そのため、先ほどの基本姿勢と呼吸を意識して行うようにする。
普段の状態の改善は、大体これで対応できていました。

しかしうつ病、パニック障害のときは、状態が重なることで気がかなり上がりやすい。
そのように感じました。

例えば、息苦しさを感じるとき。

胸式呼吸はもとより、上体が緊張していることで、お腹にも空気が入っていかない。
息を吐こうとしても、息が出ていかない。

そして心に焦りが生じて不安な状態になったりします。
それによって、余計に体が緊張してしまう。

気が上がる状態が重なって、悪循環に陥ってしまっている。

このような場合、とっさに丹田呼吸しただけでは気が下がらず、症状も落ち着きません。
腹式呼吸もできない状態です。

このような状態に対処して、すぐに気を落とせる方法はないか。
電車の中でも、大学の授業中でも、どこでも簡単にできる方法はないか。

後日談ですが、気功の体験をきっかけとして試行錯誤した結果、自分の呼吸法が自然と出来上がっていきました

そのベースとなったのが、今お話しした気功の基本姿勢と呼吸です。
これらを行うことで、普段の体の状態も徐々に変わっていきました。

さて、気功の基本姿勢ですが、体の気を流すプラスアルファのコツがあります。
皆さんの参考にもなるかと思いますので、次に紹介することにします。

収臀

気功の基本姿勢とともに行っていた、体に気を通しやすくするコツをお話ししたいと思います。
収臀(しゅうでん)というものです。

臀は臀部、おしりのことです。
収臀を簡単に言えば、おしりを収めるということです。

具体的にどういうことなのか。

お腹の臍下に丹田があって、そこが重要なのはお話ししました。
その丹田の背中側のところを、命門と言います。

命の門という文字を見てもわかりますが、とても大切な部分です。
体に気が通っていないときには、この部分が冷たかったり、詰まっていたりする。

詰まっているというのは、背を反らせておしりを突き出してみてください。
この部分が凹んだ形になります。

それが命門が詰まった状態です。
この状態が続くと、体に気が流れにくくなります。

女性がヒールの高い靴を履いたときにこの姿勢になりやすい。
私は男性なので経験ないですが、そのように聞いたこともあります。

収臀、おしりを収めるというのは、出っ張ったおしりを気持ち、前に巻き込むようにする。
あるいは、尾てい骨をすこし前に巻き込むような感じにする。

そうすると背中の命門が開きます。
そしてこのとき、お腹に気持ち、力がこもったような状態になります。

そうすると体に気が流れやすくなり、丹田に気が落ちやすくなる。
また、肩や胸、上体の力が自然と抜けてきます。

つまり気功を行った後の状態を再現しやすいです。

なお注意点としては、決して背を丸めるということではありません。
骨盤をやや立てる、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

気功の基本姿勢とともに、この収臀を意識して行っていました。
そして、この収臀を行ったときの感覚も、後に自分の呼吸法につながっていきました。

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その他

気功に関する主なお話しは、以上になります。
以下は補足として、気功の体験に関連するエピソードなどをお話しします。

♠「気の重さ」を体験

気功をしていたとき、太極拳を少し経験する機会がありました。
そのときに率直に感じた感想をひとつお話しします。

それは気の「重さ」についてです。
太極拳を行ったときに感じた気が、とても重いということでした。

これはあくまで個人的な感想です。
普段行っていた内養功の気の体感と比べて、そのように感じました。

そしてこのとき「気」にもいろいろあるのだと実感しました。

なお、太極拳の動きはとても力強いもので、動きの型も内養功より複雑で難しいと思います。
気の重さに関しては、太極拳が元々武術ということがあるのかもしれません。

内養功の宣伝のような形になってしまいましたが、気にも性質の違いがある。
そのことを感じたエピソードとして紹介させていただきました。

♠気功教室でのさまざまな情報

一般の物理世界では説明されない気という存在を扱っている。
その関係からなのか、気功教室では一般には語られない様々な情報に触れる機会がありました。

例えば、むつう整体のような治療法です。
現在では比較的知られていますが、私が病気だった当時はまだほとんど知られていませんでした。

これは体に触れずに行う整体です。
体に触れて筋骨を矯正するのが一般的な中で、マイナーな方法だと思います。

またこうした情報を得ても、気功を体験する前であれば、治療法に疑問を感じたと思います。

抵抗なく受け入れられたのは、気を感じるようになっていたから。
そして実際に施術を受けてみて、体に触れなくとも気が流れるのが感じられたからでした。

このほか、精神世界のお話しに触れる機会などもありました。
これも気功を体験する前は、まったく興味のない分野でした。

気という体験によって、従来の固定的な認識のみならず、自分の体感をもとにした情報の受け入れができるようになった。

そうした変化があったと思います。
そして中には、病気を克服するきっかけとなるような内面の変化もありました。

むつう整体の体験と、こうした内面の変化については、機会を改めてお話しすることにします。

♠気の存在を確信したエピソード

「気の存在」を感じるようになった。
でもそれは主観的な感覚に過ぎないのではないか、本当に存在するのか。

私が気の存在を確信したエピソードをひとつお話しします。

気功の先生と食事をしていたときのことです。
テーブルには、鉄製のスプーンが置いてありました。

先生がスプーンを手に取り、根本の部分を指でつまみました。
しばらく指の間でぶらぶらと揺らした後、一瞬でふにゃりと曲げてみせました。

このとき力を入れたようには見えず。
そして気功をしていれば誰でもできるというお話しでした。

私も試みに同じようにしてみました。

スプーンの根本の部分を人差し指と親指で挟む。
そして二本の指の間に挟んだスプーンの柄に、だんだん温かな気が通っていくことを感じてみる。

しばらくして「気が通った」と感じたときに、スプーンの上の部分を手で押してみました。
力は入れずに、普通に手を動かすぐらいの感覚です。

鉄製のスプーンは見事に、指で挟んだ部分で曲がりました。
同じようにして横に捩じることもしてみましたが、やはりスプーンは捩じれました。

もちろん気功は、こうしたことを目的に行っていたのではありません。
話の本筋からすれば余談であり、このときもほんの遊びの感覚で行ったに過ぎません。

しかしこの出来事は、やはり気というものが存在する。
このことを確信させてくれました。

 

今回の記事では、お話しはこのあたりにしたいと思います。
いかがでしたか?

前回から続いて、気功の体験をお話ししました。
今回のお話しを簡単にまとめれば、以下のようになります。

気功の体験が、新たに気の視点をもたらした。
これによって、自分の体に対する認識が従来とは大きく変わった。

そして症状があるとき、体の気は頭に上がった状態になっていた。
気が丹田からなくなって体にめぐらなくなり、症状が生じていると感じた。

気が上がるのは、普段の呼吸の仕方と意念に問題があった。
このことは、気功の呼吸法と比べて真逆の状態であることから気づいた。

普段から気を下げて落ち着いた状態にするため、気功の基本姿勢と下腹の意念、呼吸を心がけた。
普段の状態は改善され、後日、さらに効果的に気を下げる呼吸法につながっていった。

以上のようなお話しでした。

そして、新たに気の視点を得て、自分の体を感じながら、方法を模索するようになった。

以前、気功の体験がそれまでの流れを大きく転換させた。
そのようにお話ししましたが、それはこのことなのだろうと思います。

 

さて次回は、気功を始めて間もない頃に出会った波動水療法。
こちらの体験をお話ししていきます。

気功をしながら、並行して行っていました。

そしてこの波動水療法が、薬を完全にやめるきっかけとなりました。
このあたりのこともお話ししていければと思います。

それでは今回の記事は以上になります。ご覧いただきありがとうございました!


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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