うつ病、パニック障害を克服するまでの途 Ⅰ ー 診断を受けるまで ー

2024年10月20日

今回の記事では、管理人が心身に異変を感じて病院に行き、うつ病、パニック障害と診断を受けるまでの経緯をお話しします。

心身の異変がどのようなものであり、どのような経緯で病院に行くことになったのか。このあたりを詳しくお話ししていきます。

なお今回の記事は、心身の異変、症状に関する内容が多くなります。苦痛を感じる方は、無理をなされないようお願いいたします

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うつ病、パニック障害と診断を受けるまでの成り行き

うつ病、パニック障害との診断を受けたのは大学2年生のときでしたが、このときに心身の異変を突然発症して診断を受けたというものではなく、不調はそれ以前から存在していました。以下にお話ししていきたいと思います。

幼少時~高校時代

幼少の頃から体は壮健な方ではなく、手足が非常に冷たかったのを覚えています。小学生の頃には親の仕事の都合で転居、転校を繰り返したのですが、その度に悩まされたのは食欲不振です。特に学校での昼食時、食事が喉を通らなくなるのです。

周りにに気をつかいやすい性であったということもあります。自宅にあった薬を服用するのですが改善せず、内科の病院で診察を受けても特に問題は発見されませんでした。

しかし幾度かこのような波はあったものの、都度回復して問題なかったのですが、高校時代の後半頃から、回復しない状況に悩まされることになりました。

特に悩まされたのは、食欲不振のほか、体の倦怠感、外出時の吐き気、肩や背中の筋の緊張などが慢性的に続くようになったのです。

食欲不振については、学校に弁当を持参していたのですが残す状態が続き、やがておにぎりだけ持っていくようになったのですが、やはり食べきることができない状態が続きました。

体の倦怠感について、食欲不振で体力が落ちていたこともあるのでしょうが、体が非常に重く感じる状態が続くようになりました。体を使って疲労させた憶えもないのに、布団から起き上がれない。

そして、外出時の吐き気ですが、自宅から外出するときに吐き気を感じるということが続きました。乗り物酔いをしたときのように、吐き気とともに体から力が抜けてしまう。

高校卒業が近くなった辺りからは、肩や背中の筋の緊張が酷くなりました。もともと肩凝りはあったのですが、それに加えて首や背中の筋が異常に固く張るようになり、不快感や痛みを感じる状態が続くようになりました。足が攣ったときに筋がピンと張りますが、同じようなことが背中に生じた状態です。

高校3年の頃には、このような状況であったため、学校を休むことも多くなりました。それでも卒業できる程度にはなんとかカリキュラムをこなし、進学のための受験勉強もしていたので、いくらかの余裕はあったのだろうと思います。

進学のための受験のときには、当時東京周辺の県に住んでいたのですが、吐き気などもあって、試験を受けるどころか果たして都内の受験会場まで辿り着けるのだろうか、などと心配に思うこともありました。ある受験校では、試験中に背中の痛みが耐えられず、医務室にお世話になるなどということもありました。

大学時代

大学に進学して自由度の高い新生活が始まることもあって、状況の改善を期待する部分もあったのですが、変わることはありませんでした。昼食時に学食に行くのですがほとんど食べることができません。

ほぼ毎日、比較的食べやすい麺類を選ぶというような苦い経験?もあります。量はさほど多くなかったのですが、やはり食べきれないことが多かったです。

周囲を見渡せば皆、楽しそうに食事をしているのに、自分は延々と食事を苦痛に感じている。何か自分が場違いなところにいると感じることもありました。

やがて吐き気と食べ物を残すという状態が続いていたためなのか、学食や飲食店に入ることに不安を感じるようになりました。そのような場所に近づく、あるいは食べ物の臭いがすると、吐き気が強くなって体の力が抜け、体温が急に下がったように感じてしまう。

また、強い吐き気が生じるため、自分がそのような場で吐いてしまわないか不安に感じるようになりました。その不安がさらに体に緊張をもたらし、吐き気がさらに強くなるという悪循環に陥っていました。

空腹の感覚はあるものの食べることができず、昼食を摂らずに過ごす。歩いていて目の前が霞み、立ち眩みのようなことを起こすこともありました。

大学の友人には、いつも体調が悪くて食事をすることができないと断りを入れていました。当初は一緒に学食に入ったりすることもあったのですが、注文したものの、ほとんど手を付けないこともあったためです。

またこの頃から、他人と一緒にいると息苦しさを感じるようになりました。単に気分として息苦しさを感じる、というよりも、実際に呼吸動作がしづらくなるのです。このことに最初に気がついたのは、通学中の電車の中だったと記憶しています。

電車の中では当然、見知らぬ人たちが至近距離で立っていたり座っていたりします。そのような中で、周囲が気になって呼吸がしづらく感じる。

苦しく感じるので、息を吸おうとしてもなぜかほとんど吸い込むことができない。そこで、胸を膨らませたり肩を上げたりしてみるのですが、息が入っていかないのです。逆に息を吐こうとしても、胸に空気が残っている感覚があり続けるものの、息を吐き切ることができない。

このときは、電車の中で急にそのような状態になったため、不安になったことを憶えています。その後、人ごみの中で自分の呼吸を気にしたり、滑稽に聞こえるかもしれませんが、果たして自分がどのように呼吸をしていたのか、その感覚がわからなくなることもありました。

このように体の不調のほか、心にも不安を感じる機会が増えていき、不安定な状態になっていきました。不安のほか、恐怖、悲しみといった想念、感情が満ちるようになり、時には怒りの感情が満ちることもありました。

現在の自分の状態に対する恐怖や、過去の出来事への悔恨、まともな社会生活を送れるのかという将来への不安などが頭から離れなくなっていきました。何か自分という存在が、とても酷いものであるという自責の念を抱くこともありました。突然、悲しみのあまり嗚咽することもありました。

やがて何もやる気が起きない、何をしても無駄なのだという思いとともに、体の力も抜けて益々重くなり、無気力な状態になっていきました。そもそも世の中そのものに何か価値があるのか、存在する意味があるのかという、虚無的な心境になっていきました。

このような心が鬱屈とする状態の悪化に伴い、体の状態も悪化していきました。突然、自分の意思とは関係なく腕に強い力が入ったり、時には強い痺れを感じたりするようになりました。自分の意思と関係なく動いたり、血流の阻害といった状況がなくとも突如そのような状態になる自分の体に対して、不安と恐怖を覚えるようになりました。

あるいは通学時に駅のホームで電車を待っているとき、体が線路の方に引き込まれるような感覚、また、当時集合住宅の高層の階に住んでいたのですが、やはり同様に体が引き込まれる感覚がありました。自分の意思はそのように望んでいるわけではなく、自分の意思に反するそのような感覚に恐怖を感じ、それらを打ち消すように意識を保っていました。

このため、駅のホームではできるだけ線路とは反対側に身を置いて手でどこかに掴まっていたり、高層階ではできるだけ外側でなく内側の壁沿いを歩くといったようなことをしていました。

状況はさらに悪くなり、通学中の電車の中で、強い息苦しさ、吐き気とともに突如、波で揺られたように大きく傾く感覚がありました。電車そのものが物理的に揺れているのではなく、何か自分が認識している世界そのものが揺れている感覚でした。

それと同時に視界が突如、ぐにゃりと拉げたように歪みました。視界の枠組みそのものが拉げてしまっている、というような感覚です。その場に倒れはしなかったものの果たしてどのように帰ったのか記憶になく、気がついたときには自宅のベッドの上で横になっていました。

しばらくして症状はおさまったものの、このことがきっかけで不安と恐怖から電車に乗ることができなくなりました。

病院へ

大学の学生生活は自由で比較的ゆるやかであるため、休養しながらでもカリキュラムをこなしていたのですが、心と体の状況は上記のように徐々に悪化していきました。大学2年になる頃には心も体もすでに自分の意思どおりに動かない感覚がありました。

その感覚はやがて、自分の意思がわからなくなる感覚につながりました。何か自分の意識が乗っ取られてしまったり、自分という意識、自己同一性がなくなってしまうような不安と恐怖を感じるようになっていました。

自分が何をするのかわからない、自分が自分で無くなってしまうという不安と恐怖が強くなったある日、日中は両親ともに不在のため、縋るような思いでタウンページで自宅から最寄りに精神科の病院を探し出し、すぐに向かいました。ここに至っては心も体も限界であり、駆け込んだというのが適切な表現かもしれません。

当時、精神科の病院に行くことに対しては非常な心理的抵抗がありました。しかしこのとき、不安と恐怖によってそのようなことを言っていられない心境に追い詰められていました。また、奇妙に聞こえるかもしれませんが、ここまで追い詰められるまで食欲不振などで内科の病院に行っており、自分が心の病気なのだというはっきりした自覚がなかったのだと思います。

***

今回の記事の内容は、以上となります。いかがでしたか? 簡単にまとめれば、次のようになります。

・幼少時より、手足の冷えや転校時の食欲不振に悩まされた。高校時代の後半からは、食欲不振、体の倦怠感、外出時の吐き気、肩や背中の筋の緊張などが慢性的に続くようになった。
・大学に入ってからはさらに状況は悪化し、学食や飲食店にいると不安や吐き気を感じたり、吐くことへの恐怖、他人といるときに息苦しさを感じるようになった。そして心に不安、恐怖、悲しみ、時には怒りの想念、感情が満ちるようになった。自分に対する自責の念、無気力、虚無感など鬱屈とした心境に苛むことになった。
・心の状態の悪化に伴い、突如腕が痺れる現象が起きたり、駅のホームや高所で体が引き込まれる感覚に悩まされるようになった。電車の中で強い吐き気、息苦しさとともに視界が歪み、以降、電車に乗ることができなくなった。
・自分の意思がわからなくなる、自分の意識がなくなるような感覚に襲われて限界に達し、自宅近くの精神科の病院に行った。

このほかにも、何時のことからか失念してしまったのですが、無意識に空気を呑む(呑気症)、光に過敏になる(視覚過敏)といったことも起こるようになりました。

うつ病、パニック障害と一口に言っても発症した経緯やその背景などは人それぞれではないかと推察します。その一方で息苦しさ、緊張、吐き気、摂食障害などはよく耳にする症状であり、同じような体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。皆さんのご参考になるところがあれば幸いです。

次回の記事は、病院で診断を受け、通院生活と投薬治療をすることになったのですが、それがどのようなものであったのかお話しをすることにします。また、心理カウンセリングを利用する機会もあったため、その体験内容についてもお話ししようと思います。

どのようにリハビリをどのように行ったのか、減薬を行ったきっかけなどもお話しする予定です。

ご覧いただきありがとうございました。


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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