心と体の緊張を克服した方法について

2024年10月19日

今回は、心と体の緊張を解く方法についてお話しをしたいと思います。私がこの病気だったときには、心も体も常に緊張した状態にありました。

良い意味での緊張感ということもあるのですが、この病気のときには常に緊張した状態が続き、心と体を疲労させて悪影響をもたらすものでした。このため、解除する必要がありました。

なお私の場合は、当初、自分の心と体が緊張していることへの自覚もありませんでした。力が入った緊張状態が常に続いていたため、その状態が普通となってしまい、リラックスした状態というものが果たしてわからなかったのです。

自分が緊張していると自覚したのは、気功を体験したときでした。気功の体験については別の記事で紹介しているため、ここでは割愛させていただきます。

私が病気だったときに得た方法には、2つのアプローチがあります。《心の方面》からのアプローチと、《体の方面》からのアプローチです。

まず、《心の方面》からのアプローチは、言い換えれば、意識の持ち方に関するものです。なぜ常に心の緊張が続いていたのでしょうか。

例えば、自分の体が周囲から押されたり、押される恐れがあれば、抗うための力が体に入ります。転倒して体が傷つくことを防ぐため、自分の身を守り、防御するためです。体が押されても影響のないことがわかっていれば、力が入ることはありません。その必要がないからです。

このことは、心の場合にも同じことが言えるのではないでしょうか。なぜ心が緊張しているのかと言えば、周囲の視線や反応によって心が傷ついたり、自分の内に去来する否定的な想念や感情によって傷つくことを防ぐため、力を入れて防御しているということです。

これらから心を守る必要があると潜在的に認識している限り、意識してリラックスしようとしても緊張が解けないのです。それでは、どのようにすれば良いのでしょうか。

心を守る、ということは、前提として《心は傷つく》という認識があります。世間一般の常識としては、当たり前のことかもしれません。しかし先ほど、押されても体に影響しないことがわかっていれば、力が入ることはないとお話しをしました。

心の場合についても、《心は傷つかない》ものと認識していれば、力を入れて守る必要はなくなり、緊張させる必要もなくなります。端的に言えば、心を緊張から解く方法とは、《心は傷つかない》ものと認識するということです。

実際には心は波立ったり、揺らいだりしているのではないか、と言われるかもしれません。しかしこれらは表面上の現象であり、心は《本質》として影響を受けず、揺らいだり、傷ついたりする性質のものではないということです。

このような意識であれば緊張を解くことができ、逆に心を守る必要があれば、緊張を解こうとしても解けることはなく、一時的に解けたとしても元に戻ってしまうのです。

以上が、《心の方面》からのアプローチのお話しになります。

そのような方法で、と思われる方もあるかもしれませんが、これが私が得た方法になります。なおこの方法は、発展して「うつ病、パニック障害で揺らがない心にする方法」(→記事)の内容につながっていますので、未読の方で興味がある方は、ご覧いただければ幸いです。

次に、《体の方面》からのアプローチです。他の記事でも詳細をお話ししていますが、緊張しているときには、呼吸が早く浅くなって胸式呼吸(胸の上部で呼吸)になりやすく、肩や胸などの上体に力が入ってしまいます。そしてこのとき、体の気は頭の方へ上がった状態になります。

《体の方面》からのアプローチでは、これら体の現象を解消することで、緊張から解放するという方法です。

やってみればわかりますが、肩を上げるように胸式呼吸をしていれば、肩や胸などの上体に力が入っていき、体が緊張していきます。そして体が緊張すれば、心も緊張していきます。心が緊張して不安や焦燥に駆られれば、さらに上体に力が入って胸式呼吸となり、緊張するという悪循環になります。

これらの状態を解消するための方法として、体の気を下げる腹式呼吸(丹田呼吸)を行います。丹田呼吸を行った場合、上体の緊張も自然に解けてきます。逆に上体に力を入れたまま腹式呼吸しようとしても、することはできません。さらに発展させた呼吸法など、別の記事(→記事)でまとめていますので、興味のある方はご覧いただければと思います。

以上が《体の方面》からのアプローチになります。

緊張を解消する方法として《心の方面》からのアプローチと《体の方面》からのアプローチは、別の系統のお話しではあるのですが、一方のみでなく両方が大切であると感じています。

呼吸法を行って緊張状態を解消したとしても、意識の状態によって元に戻ってしまうのでは効率が良くありません。また、既に現れている体の緊張は、意識を変えるのみでは解消されにくく、呼吸法などによって効果的に解消する必要があります。このほか、呼吸法は体の緊張させる原因を自覚することにもつながります。

以上、心と体の緊張を解く方法に関するお話しでした。ご覧になった皆さんの参考になるところがあれば、幸いに思います。


著者・管理人:柊 基博(Hiiragi Motohiro)


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